~象たちへ。与えられる限りの自由と幸せの実現を目指して~

【実現を目指す自由】①鎖から解放される自由 ②仲間と触れ合うための自由


【具体的には何をするの?】

 タイで働く象たちは、基本的に仕事以外の時間は足を鎖で繋がれています。
今回のプロジェクトでは、出来る限り鎖で繋がれる時間を減らし、 自由に過ごすことのできる環境を提供したいと考えています。 その為に必要となるのが柵で囲われたスペースです。
また、ただ柵を作って終わりではなく、 今まで、仕事(トレッキング)以外にはほとんど与えられなかった “鎖で繋がれない時間”が象達にどの様な影響を与えるかを観察し、 その上で更に必要なものがあれば対応を考えていきます。


【柵を作ることになったきっかけ】

 “柵を作ろう!”という今回のプロジェクトが生まれたのは、シーズンによって、 象達の鎖による拘束時間に大きな差があることが分かったことからでした。
 ハイシーズンには、毎日、全ての象が山へ行くことが出来ます。 ところが、オフシーズンとなるとお客さんの数も減りますので山に行けない象がでてきます。 そうなると、山に行かずキャンプでお留守番となる象達は、1日中キャンプ内で鎖に繋がれることになるのです。
そんな時には、繋がれた象達が揃って常同行動をすることも少なくありません。
象たちを家族であり、共に生きる仲間としてとても大切に思っているタイエレファントホームのマネージャーは、 そんな象たちの姿を長年にわたり見てきました。そして柵をつくることができれば、象の鎖を外し自由に過ごす時間を与えてあげられるのに...と考えていたそうです。
そんな思いも、資金がなければ諦めるしかない...という思いを聞いたことがきっかけでした。


【象を鎖で繋ぐ理由】

 もし象達が鎖で繋がれていなかったら、いくら飼い馴らされているとはいえ自由に動き回りどこに行ってしまうか分かりません。 エレファントキャンプを出て近隣の民家に突然現れれば何が起こるか分かりません。 畑を荒らしてしまったり、道路に出て事故にあってしまう可能性もあります。
 象と人の両方を守る為に鎖でつなぐ必要があります。


【どんな柵をつくる?】

 現段階で予定しているのは、高さ約1.5m~2mの鉄の柵です。
万が一、象がいたずらしても壊れないよう、頑丈な柵が必要です。 タイエレファントホームの敷地内で可能な限り広い柵の建設を目指します。


【タイエレファントホーム敷地内のどこに作る?】

 柵を作る場所はまだはっきりとは決まっていません。というのも、今回のプロジェクトには、 現段階で約600万円もの資金が必要と考えており、その資金の収集期間は少なくとも3年は要すると見ているからです。 象たちの生活環境が年々変化していることを考えると、3年後には現地の状況も大きく変わることは想定できます。 であれば、実際に柵を作る段階で場所を決めることが1番良いタイミングと考えられます。
 前回のプロジェクト“象専門クリニック設立”の時も、最終的には当初予定していた場所とは全く異なる場所に建設となりましたので。 その辺は、基本、現地のタイ人スタッフに判断を委ねる考えでいます。
 また、その先の話にはなりますが、柵が完成し期待通りの良い効果が得られた場合、 もし、他のキャンプが同じような柵を作りたいと申し出てくれれば 私たちはそれらのキャンプを視察した上で柵を提供していくことを考えています。 その為、今回作る柵は、どんなキャンプにも建設可能な見本となるものでなくてはなりません。


柵を作ることで期待される効果

 キャンプ内で過ごす象達は、仲の良い象同士を出来るだけ近くに繋いでいるものの、 鼻をめいっぱい伸ばしてやっと触れ合える程度の環境にいます。
象は、絆の強い生き物です。仲間と触れ合うことでお互いの体調を確認し合ったり、安心感を得ます。 研究でも、触れ合うことで相手を落ち着かせる事が出来る、という結果が出ていますし、 何より野生の象たちは、常に群れで行動し寄り添いあい生きています。
 仲の良い象同士が寄り添いあうことで、私達が目指す“幸せ”を感じてくれる事を期待しています。
また、柵で囲われているとはいえ、鎖で繋がれている状況から、 自由に動き回れる状況への変化は、象達に取ってとても大きいと考えており、 ここからも、象達に幸せを感じてもらえるのではないかと考えています。
そして、現地の象に関わる人々の考えにも良い影響を与えてくれると期待しています。




【現時点の課題】

 柵を作りその中で象を自由にする事により象たちにとっては環境がガラリと変わるわけですから、 もちろんメリットだけでなくいくつかのデメリットも考えられます。
 まず単純に思い浮かぶのは、自由が増えることで人の言うことを聞かなくなるのではないか?ということ。 実際に、近年増加傾向にある人を背中に乗せないスタイルのエレファントキャンプでは、お客さんを攻撃するようになったり、 象使いの指示を以前のように聞かなくなった象が増えていると耳にします。 ですが、そういったキャンプのほとんどは、タイ人ではなく外国人の好むやり方(歴史を無視した、コーを使わない方法等) でキャンプを経営している場合が多いです。 私が考えるに、象をよく知るタイ人主体のエレファントキャンプであれば、この状況にうまく対応してくれるでしょう。 鎖につながれている今が当たり前の象達を、鎖につながれていないことが当たり前という認識にうまく切り替えていってくれると思っています。
 それ以外にもデメリットはいくらでも考えられますが、つど対処していけばいいのです。 それ以上に象達に幸せを与えられるメリットがあるなら、それに変えられるものは無いと考えています。



【ボランティアとしての考え】

 私たちは、デメリットばかり考えて諦めるのではなく、少しずつでも 希望のある方法で象たちの幸せに繋がることを試して行きたいと思っています。 そして今回、まずはほんのいっときでも象達がお互いにふれあい、 拘束されていない自分達だけの時間を持てる環境作りを目指します。
 このプロジェクトに設けた期間は3年。そしてそれはもう始まっています。 確かに600万という金額は大きいけれど、象達の自由を思うと決して高い額ではありません。
今後とも、このプロジェクトの成功を目指して、皆様には応援とご支援頂けますようどうぞよろしくお願い致します。


みなさんに考えてみてほしい事と伝えたいこと

 このプロジェクトに疑問を感じる人もいるでしょう。
ほとんどの人にとって、タイでは象が繋がれている光景は当たり前であり、 皆さんがタイで目にする象の姿は愛らしく癒しだからです。
そんな事から、なぜ大金をかけてまで柵を作る必要があるのか?今でも十分幸せじゃないのか?と言う方もいました。
たしかにそう思うのも仕方ありません。 なぜなら、私達の知らないところで象たちがどの様に調教されているかを実際に目にする人は少ないでしょうから。
ですが、彼らは愛らしく見えるよう小さなころからしっかり調教されています。 そして、まず、彼らが人に飼われていること、日々鎖で繋がれている事が本来の姿でないことを忘れてはいけないと思うのです。
なかなか想像のつかない方は、自分が鎖で繋がれ生きる人生を想像してみて下さい。 水もご飯も好きな時に食べられません。何もかも誰かに決められた生活をするんです。 大げさかもしれませんが、わたしは象の立場になって考えることも必要と思っています。
そして、こんな風に人の勝手に付き合わされ続けながらも、私達に寄り添ってくれる象達に 今よりも幸せを感じてもらいたいという思いでこのプロジェクトを進めています。
 本来であれば、傷ついた象などを支援出来ることが理想ではあります。 ですが、現地のタイ人スタッフと長年に渡って相談をしてきた中で、レスキューには 私達の様な小さなボランティアでは手に負えないほどの資金が必要であることを知りました。
そこで、レスキューは後の大きな目標とし、今は設立当初から掲げてきた、 “自分たちに出来ることを着実に”を形にしていこうという思いです。


    
☆皆様のご協力に心より感謝しています☆

象との絆 
代表 雲津真理子

≪第2弾プロジェクト≫
リーダー あやの
スタッフ ともこ・まり

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